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小児プロバイオティクスセミナーin大阪

グランフロントで開催された小児プロバイオティクスセミナーin大阪に参加してきました。
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プロバイオティクスとは、「腸内細菌叢のバランスを改善することによって宿主の健康に

好影響を与える生きた微生物」と定義されています。ヨーグルトに含まれる乳酸菌とかです。

今日はその中でもロイテリ菌という乳酸菌のお話でした。ロイテリ菌は母乳に住んでいる

乳酸菌です。そのロイテリ菌で赤ちゃんの夜泣きがなくなるというお話です。

夜泣きの原因にはさまざまなものがありますが、乳児疝痛という現象もそのうちのひとつと

考えられています。乳児疝痛は腸内細菌叢が作られていく過程で、菌のバランスがうまく

作られないときに発生するらしいです。なので、腸内細菌のうち、いわゆる善玉菌を増やす

と乳児疝痛が改善するらしいです。その善玉菌であるロイテリ菌を飲ませると腸内環境が

整って乳児疝痛がなくなり、夜泣きもしなくなるということでした。

夜泣きはお母さんやお父さんにとって大変つらいものです。そして、夜泣きは病気とは

考えられていないので、夜泣きの相談で小児科へ連れて行くということもせず、夜泣き

をあやすのは母親の役目と言われたりしています。そうなるとお母さんは睡眠不足で

体も気持ちも疲れてイライラしたりして、ついつい赤ちゃんにあたってしまうというような

事も起こってしまうのです。ロイテリ菌のサプリで夜泣きがなくなり、腸内細菌の

バランスが整うので、便秘にも効果があったり、免疫力も高まり、虫歯になりにくいとか

下痢や呼吸器感染症にも効果が見られているそうです。
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後半の便秘と小児の肛門疾患の話も興味深く聞きました。

演者の窪田昭男先生は近大の小児外科に勤務されていた時代にたびたび一緒に

仕事をさせていただきました。子どもの病気をただ治すだけでなく、その子の将来、

一生を見据えた医療をされています。

便秘で困っている子どもはたくさんいます。ゆっくりうんちをする時間を作ってあげたり、

食事やうんちの時間を規則正しくするのも大切です。しかし、現代社会では皆忙しく、

子どもとゆっくり過ごす事や規則正しく生活することが難しくなってきています。

お父さんお母さんのストレスが子どもの慢性便秘の一因になっているという話も

なるほどなと思いました。また、慢性便秘の子どもは腸内細菌叢がうまく整って

いない場合があるそうです。例えば、帝王切開で出生した児は母親の産道を

通っていないので、母親の膣内の細菌叢に触れていないことで児の腸内細菌叢が

うまくできあがらないと言われており、免疫力が低くなると言われています。

乳幼児期の抗生物質の不必要な使用にも注意が必要です。

腸内細菌叢を整えるのは子どもだけの話ではありません。大人も腸内細菌叢の

バランスが悪いと、便秘、アレルギー、免疫力低下が起こりやすくなるらしく

注意が必要です。

善玉菌を増やすには納豆やヨーグルトなどの発酵食品がいいらしいです。

セミナーの後、先生もさっそくいきつけの焼き鳥屋で豆腐を発酵させた料理

を食べながら麦を発酵させた水を飲んで腸内環境を整えました。
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by yagiiin | 2017-03-25 23:25 | 八木医院


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