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「子どもの心」研修会

日本小児科医会主催の第26回「子どもの心」研修会にweb参加しました。

1日目は子どもの居場所や不登校の話、2日目は睡眠と脳科学、認知行動療法、

子どものネット依存の講演を聴きました。
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睡眠の講演では、鉄欠乏と睡眠の関係で、夜寝てても途中で起きることが多い

乳幼児に鉄欠乏が見られることがあり、そのような乳幼児に鉄剤を投与して

治療すると途中で起きることが無くなるという話を聞きました。

夜間に起きることが多い乳幼児には血液検査をして鉄欠乏がないかどうか

検査してもいいかもですね。鉄欠乏があるかどうかは採血してフェリチンという

たんぱく質を検査します。当院でも鉄剤の治療を行っている乳幼児が

たくさんいます。

ネット依存の講演は去年も聞きましたが、なかなかためになる講演でした。

依存物とはどういう物かというと、1)楽しい、あるいはわくわくさせる、

2)疲れない、3)飽きない、この3つを満たす物が依存物です。

なので、サッカーや野球を行う事は 2)を満たさないので依存物では

ありませんが、サッカーくじや野球賭博をするのは疲れないので依存物に

なります。そして、そのことが日常生活に支障を与えれば依存症と

呼ばれるようになります。

さて、ネットですが、YouTubeを見たり、ネットゲームは上記の1)2)3)

を満たしますので依存物です。そして、現在はCookieという機能によって

パソコンやゲーム利用者の情報が提供者(ブラウザーやゲーム事業者)に筒抜けに

なっています。そこで利用者の好みを分類し、情報を保存し、その情報をYahoo、

Google、YouTubeなどに伝え、ターゲティング広告などに利用されているのです。

利用者が一番興味を持ちそうな広告やwebサイトを見るように仕向けます。

このような機能のためになかなかネットゲームやサイトの閲覧を辞められないように

しているのです。ネットを見だすとなかなかやめられないのはこのような仕組みが

あるからです。

また、わくわくと感じるような快楽を感じると脳からドーパミンという

ホルモンが放出されますが、ゲームなどであまりに頻回にドーパミンが

放出されると脳が変化することが分かっています。そして、前頭葉の機能が

落ちて衝動や欲望のコントロールができなくなり依存症が進行すると

言われています。

脳がしっかりと成長する前にあまりに快楽の刺激が多いと脳が変化するのです。

脳がしっかりと成長するのは研究で15歳くらいと言われています。なので、

それまでは子どもにスマホを持たせないようにするのが良いといわれていますが、、

なかなか現実的には難しいかなと思います。でも、Appleのビル・ゲイツは

娘のビデオゲーム時間を制限すると共に14才になるまでスマホを持たせなかった

と言われています。スマホが子どもの脳に与える影響を知っていたのですね。
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さて、それではネット依存への対策はどうすればいいでしょうか。

(1)依存物は危険だという認識を持つこと。ネットは前述の3つの特徴を

持つ依存物、たばこや酒や薬物と同じ物という認識を持ちましょう。

ゲームをしたり、YouTubeを見る前に「♪ネットは、楽しい、

疲れない、飽きない、脳に危険♫」と歌いましょう。

(2)使うなら制限が必要です。酒の休肝日のように週に1.2回スマホを

見ない日を作るとか、ゲームをする時間を決めるとかしっかりと対策を

立てましょう。

(3)そして、これが最も有効で最も難しい対策なのですが、、、

親のネット時間を減らしましょう!です。子どものネット利用時間

に最も大きな影響を与えているのが母親のネット利用時間の長さ、

次が父親のネット利用時間の長さであることが富山県の調査で判明して

います。保護者が自分のネット利用時間を減らして、その時間を

親子の会話に使えば子どもの脳だけでなく子どもの心身の発達に

とてもいい影響を与えます。
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# by yagiiin | 2024-04-29 18:32 | 八木医院

第127回日本小児科学会

4月19日から21日に福岡で開催された第127回日本小児科学会に参加してきました。
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基調講演では5歳児健診の話題がありました。今後、定期健診として

5歳児健診が行われるようになりそうです。当院の本棚に

「おうちのルール」という本があります。副題は、「小学校入学までに

身につけたい45の習慣」です。参考にして頂ければと思います。
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教育講演はZepp Fukuokaで聴きました。ライヴ会場で医学講演が行われるのは

なかなか珍しいと思います。
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Zepp Fukuokaでは長崎大学の森内先生のHPVワクチンの講演を聴きました。
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ジェンナーの、天然痘予防ワクチン・種痘の開発の話や、

日本でも私財を投げ出して種痘を広めようとした福井藩の医師・笠原良策の事が

書かれた吉村昭の小説「雪の花」の話など、世界中のこれまでのワクチン開発の

歴史の話がとても興味深かったです。

その他、「子どもの心に寄り添った夜尿症診療」の講演、今後大阪府でも

取り組みが始まる「思春期の心の学校健診」の講演、「鼻吸引の大切さ」の講演、

近畿大学病院小児科・思春期科の森本先生の「児童の描く人物画から発達年齢を

推定する人工知能(AI)モデルの開発」の講演などを聴きました。
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また、「小児の発達を促す生活習慣、食事と睡眠」の講演では、微量元素として

鉄と同様「亜鉛」が大切だという話を聞きました。亜鉛不足になると、皮膚が

ガサガサしたり、下痢したり、口角炎ができたり、オムツかぶれがひどかったり、

成長障害が起こったりします。亜鉛は、牡蠣や赤みの肉に多く含まれています。

鉄が少ないと亜鉛も少ないかもしれません。

そして、睡眠も子どもの成長にとって大切です。発達障がいと思われる子どもで

睡眠時間が十分でない子どもがいます。しっかり寝るようにしましょう。

会場では近畿大学病院小児科・思春期科の杉本教授や後輩の先生達、

全国の旧知の先生方とも歓談し、有意義な時間を過ごせました。
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宿泊したホテルからは福岡タワーや博多湾、能古島がきれいに見えました。
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# by yagiiin | 2024-04-21 22:20 | 八木医院

近畿外来小児科学研究会

新大阪で開催された第39回近畿外来小児科学研究会に参加しました。
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前半の一般演題ではおたふく風邪ワクチン接種後の副反応報告を聞きました。

おたふく風邪ワクチンは現在任意接種となっており、保護者の費用負担が

発生しますが、費用負担があっても絶対接種が必要なワクチンです。

それは、自然におたふく風邪にかかると難聴という合併症が発生する

事があるからです。おたふく風邪の難聴は高度難聴となることが多く、

その予後は不良です。なので、必ずワクチン接種をしておたふくかぜに

かからないようにしとく必要があるのです。

おたふく風邪ワクチン接種後の副反応として有名なのは無菌性髄膜炎です。

今回の調査では、無菌性髄膜炎発生報告頻度は0.013%(10万接種あたり

13.4)でした。1万人に接種して1人ちょっとという頻度です。0ではないので

保護者の方々は心配されるかもしれませんが、接種せずにおたふくかぜに

かかってその合併症で難聴になる子どもは0.1〜0.25%となっているので、

1万人かかったとして100人〜250人の頻度です。ワクチン接種による

無菌性髄膜炎の頻度の100倍以上となります。

後半のシンポジウムは「子どもの食を考えよう」というテーマで行われました。
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10杯粥は栄養が無いのでダメとか、早くから全卵を与える方が卵アレルギー

を予防できるとか、いつも先生が保護者の方に説明している内容でした。

また、歯科の先生の立場からみた離乳食の問題点という講演では、

早くから手づかみで子どもの自主性を尊重して食べるBLW(Baby−Led

Weaning)の話も聞きました。離乳食を始めた子どもに是非実践して

ほしいと思いました。印象に残ったのは、BLWを実践すると子育て観が

変わるという言葉でした。できるように手助けをするか、できるかどうか

分からないけどとりあえずさせてみるか、BLWは後者の考え方です。

誤飲などには注意が必要ですが、ルールを守れば安全に行えます。

日本BLW協会のホームページや本も参考にして下さい。
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# by yagiiin | 2024-04-14 21:02 | 八木医院

日本外来小児科学会 春期カンファレンス

名古屋で開催された第33回日本外来小児科学会 春期カンファレンスに参加しました.
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「その医療情報伝わっていますか」という講演では、さまざまな医療情報を提供

するだけでは不十分で、医療者の働きかけが大切というお話しを聞きました。

また、正確な医療情報は必要なのですが、正確さよりもわかりやすさが必要だという

お話しも聞きました。 医療者は、きちんと伝えようとするあまり医学用語や

統計やらをしっかり伝えないとと思いがちなのですが、わかりにくくなって

しっかりと情報が伝わっていないということが往々にしてあるとのことで、

先生も注意せねばなと思いました。講演の中で「教えて!ドクター」という

アプリの紹介もありました。子どもの健康に関してわかりやすい情報が掲載

されているアプリです。ダウンロードしておくと便利かも。
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特別講演2は岐阜県総合医療センター新生児内科の寺澤大祐先生の講演でした。

寺澤先生は幼稚園から高校まで各地で「いのちの理由〜コウノドリの現場からあなたへ〜」

という講演をされています。今回は、高校生向けバージョンをそのまま講演して

下さいました。感動しました。とても大切なお話しを聴いたと思いました。

涙があふれそうになりました。全国の子ども達に聞いてほしいと思いました。










# by yagiiin | 2024-04-07 19:35 | 八木医院

桜満開

八木医院隣の泉北高倉小学校の桜が満開です。
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# by yagiiin | 2024-04-06 14:43 | 八木医院


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