第7回乳幼児学校保健研修会/東京
東京で開催された第7回乳幼児学校保健研修会に参加してきました。
今回のテーマは「児童生徒の生活習慣病予防について考える」です。
小児の肥満が問題になった時代がありますが、現代の子ども達はどちらかと言えば
やせ傾向になっています。しかしながら、やはり、肥満の子どもは一定数います。
肥満の子ども達は、将来の肝臓や心臓の病気、高血圧、睡眠時無呼吸のリスクを高めますが、
心理的には、自己像のゆがみ、自尊心の低下、いじめや不登校等の問題にもつながると
されています。
また、お母さんが妊娠中に過剰なダイエットしたりして痩せていればお腹の中の赤ちゃんは
低栄養環境で育ち、低出生体重児として生まれます。そのような赤ちゃんは栄養を沢山
摂るような遺伝的体質を持って生まれます。そうすると、生後もその体質があるので、
通常の栄養状況でも肥満になります。これをDOHaD説(Developmental Origins of
Healthand Disease)と言います。2500g以下で生まれた子どもは肥満のリスクがあるので、
乳幼児期に過栄養とならないような注意が必要です。
国立循環器病センターの斯波真理子先生の家族性高コレステロール血症(FH)の話も
興味深いものでした。肥満がなくてもコレステロールが高値の家系があります。
しかも、そのような子どもの頻度は思った以上に多く、200人に1人くらいと
言われています。家族や親戚に、若いのに心筋梗塞になったり突然死した方がいれば
注意が必要です。コレステロールが高値の人が家族にいたり、血液検査で
コレステロールが高値と言われた事がある子どもは、FHの可能性があります。
気になる方は当院で血液検査を受けていただきたいと思います。FHの疑いがあれば、
早期からの食事指導や生活指導が必要なので、病院へ紹介させていただきます。
富山県高岡市や福岡市では、小学生を対象にした生活習慣病予防健診が行われています。
素晴らしい取り組みだと思います。肥満が気になる子どもがいましたら当院にお越し下さい。
小児生活習慣病予防のためのお話と採血をさせていただきます。
食生活で大切なことは、規則正しい食生活リズムをつけることですが、塾や習い事
のために夜遅くに食べる習慣がついている子どもも多いと思います。寝る前の
高カロリーの食事は避けて、食事内容を工夫しましょう。大皿盛りにせず、
ひとりづつ盛りつける、早食いせずゆっくりよく噛んで食べる、家族みんなで一緒に
楽しく食べるのも大切です。
先生も研修会が終わった後に、東京や姫路の先生方みんなと一緒に楽しく食事を
しました。
by yagiiin
| 2018-02-11 22:25
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