はしかに注意!
三重県と岐阜県は10日、津市の10~20代の男子学生3人と、岐阜県瑞浪市の
20代女子大学生がはしかを発症したとそれぞれ発表しました。日経電子版。
12月24~30日に津市で開かれたある団体の研修会に参加していました。
研修会には10~30代の男女計49人が参加。1月17日までに29人が麻疹を発症
しました。三重県の集計では示されていませんが、この研修会に参加していた
大阪市阿倍野区在住の10代が発症したという情報をキャッチしました。その兄弟も
感染している可能性があります。発疹が出る前の、咳や鼻水の症状の時に登校
していたとのことなので、この兄弟からさらに周囲へ感染が拡大する
可能性があります。また、三重で発症が確認された10代男性が咳や鼻水の
症状があった1月6日に京セラドームで行われたAKB48のイベントに参加し、
その後、隣接するイオンモール大阪ドームシティに滞在していたという情報も
あります。この男性は10日にはしかと診断されています。
2次感染3次感染の可能性が大いにあり、大阪も注意が必要です。
なぜ、これほど多くの若者が感染したのでしょうか。それには理由があります。
この団体は、医療を受け入れない事を信条としていて、投薬等の医療行為や、
ワクチン接種を拒否している団体です。当然はしかのワクチンも
接種していなかったと思われます。はしかの免疫を持っていない集団に
はしかが持ち込まれると、これほどの感染力があるというのを
皮肉にも世間に知らしめた結果となりました。
はしかはワクチン接種で防ぐことができる感染症です。1歳になったらすぐに
麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)を接種しましょう。そして、
年長の間に2回目の接種をしましょう。4月から小学校に行く子どもで
まだ2回目を接種していない方は早急に接種してください。小学生でも
接種し忘れていないかどうか今すぐ母子手帳で確認しましょう。
接種していなければ、費用負担はかかりますがすぐに接種しに来て下さい。
はしかの合併症に「麻しん肺炎」というのがあります。命にかかわることが
あります。また、はしかにかかった後7〜10年後に突然知能障害、
運動障害が発生し徐々に進行し、1年以内に死亡する亜急性硬化性全脳炎
(SSPE)という合併症がおこることもあります。先生はどちらも
大学病院時代に診たことがありますが、悲惨な結末でした。
はしかにかかってはいけません。感染力が強いのでかかると必ず
だれかにうつします。うつされた子どもが麻しん肺炎やSSPEで命を
奪われるかもしれません。自分の子どもだけの問題ではないのです。
MRワクチンをうけて下さい。