第82回南大阪小児疾患研究会
近畿大学病院で開催された第82回南大阪小児疾患研究会に参加しました。
近大小児科をはじめ、多くの演題が発表されました。
教育講演は近畿大学医学部附属病院小児外科教授の
八木誠先生の講演でした。私が座長を務めさせていただきました。
小児外科疾患のうち、特に、アッペ(急性虫垂炎)とヘルニア(臍ヘルニア、
鼡径ヘルニア)についての講演でした。
急性虫垂炎も鼡径(そけい)ヘルニアも最近は小児でも腹腔鏡手術が行われて
います。腹腔鏡手術というのは、おヘソや側腹部から直径3〜10mmの内視鏡を
腹腔内に挿入し、テレビモニター上に映し出された映像を見ながら手術を行う
術式です。最近では、単孔式といって、おヘソの部分だけを少し切開して
内視鏡を挿入する術式が行われています。この方法では、お腹にはまったく
傷が残りません。全身麻酔ですが、術後経過が順調ならその日に退院できます。
傷もなく、手術した日におうちに帰れる画期的な手術です。
鼡径ヘルニアも同様の術式で腹腔鏡手術が行われています。
発熱・右下腹部痛の症状があれば急性虫垂炎が疑われます。足の付け根の
鼡径部がぽっこり膨らんでいたら鼡径ヘルニアが疑われます。
このような症状があれば、とりあえず小児科を受診してください。
外科的な診断・治療が必要な場合は小児外科を紹介します。
臍ヘルニアは乳児に多いもので、おヘソがぽっこり飛び出ているものです。
押すとへこみますが、腹圧がかかるとまた飛び出します。そのままでも
1年くらいで自然にへこみますが、周囲の皮膚がたるんだように伸びて、
少々見栄えが良くない状態になることがあります。八木医院では、
綿球をおヘソに押込み、左右から皮膚を寄せて形を整え、かぶれにくい特殊な
素材のテープで固定するという方法を用いて治療しています。この方法で、
だいたい1ヶ月くらいでおへそはへこみ、テープのかぶれもほとんどなく、
保護者の方々には満足していただいています。
臍ヘルニアが気になる方はご相談下さい。
by yagiiin
| 2019-02-23 20:52
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