第1回日本周産期精神保健研究会

第1回日本周産期精神保健研究会に参加してきました。
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近大病院勤務時代にお世話になった小児外科の窪田先生が会長をされました。

種々の障がいやさまざまな疾患を抱えて出生した子どもと、その家族を

支えるために、医学的介入はもちろんのこと、精神保健的介入を行うことが

大切です。そのためには、医師や看護師だけではなく、臨床心理士、遺伝カウンセラー

、ソーシャルワーカー、保健師、理学療法士、保育士など、周産期に関わるあらゆる

職種の人々が連携して、子どもと家族の心の健康を支えることが必要です。

こういう取り組みを周産期精神保健といいます。

今日のシンポジウムでは、重度の染色体異常を持っていることが分かった胎児に

対して、出生前、出産後に各職種の人々がどのように対応していくか、いかにして、

在宅ケアに持っていくか、というテーマで発表と討論が行われました。
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その討論の中で、ある若い女性小児外科医の質問が会場の雰囲気を変えました。

長く生きられないことが分かっている重度の障がいを持って生まれてきた子どもを

何回も手術して、人工呼吸器を装着して、多くの職種の人々を動員して、そして、

短い生涯を終える、、、これでいいのか、、、?

その小児外科医の先生も答えは出せないが、日々悩みながら手術をしていると意見を

述べられました。勇気あるご意見だと思いました。周産期医療に携わる誰でもが

直面する、口に出すのはタブーと思われているかもしれない重いテーマです。

先進国でも、長く生きられない染色体異常を持っていると分かった時点で妊娠を

継続させないというアプローチをしていたり、そのような子どもに手術を含む

痛みを伴う治療を行うのは医療虐待である、という意見もあります。

この問題に答えはないのかもしれません、しかし、問い続けることが大切である

という意見がありました。また、染色体異常のことのすべてが分かっているわけ

ではない、重度の染色体異常だからといって妊娠の継続を中止するのはどうか、、

という意見もありました。

今、異常が判明した時点で、産科医、新生児科医、助産師、臨床心理士らが両親に

説明し、両親の意向を尊重するということが行われています。しかし、いくら

正しい、多くの医学情報を伝えたとしても、両親に判断をゆだねるのは酷です。

一方、先生にお任せしますと言われても、どうすればいいか困惑するでしょう。

すぐに妊娠の継続を中止する国、たとえどんなに障がいがあっても妊娠の中止

は許されない国、国によって生命倫理の考え方はさまざまですので、日本は日本

なりの生命倫理感を持てばよいという意見もありました。

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その夜、ごはんを食べながらいろいろ考えました。

私は、この問題に関して、日本の医療に欠けていることがあると感じています。

それは、宗教や哲学という概念です。この子の命をどうするか、という問題は

医学や倫理や気持ちでは解決できないと思っています。生と死の問題には

宗教や哲学という考え方が必要ではないかと思うのです。

日本は多くの宗教観が入り混じっている特殊な民族です。また、医学教育、

看護教育では宗教や哲学のことはほとんど教えていません。

ちょうどこの日の特別講演で前大阪大学総長の鷲田清一先生の講演があり、

「医療の哲学」を教えていないのは日本の医学教育の問題点であると

おっしゃってました。また、私の祖父は内科医をしておりましたが、

生前、「医師は科学者であり、同時に宗教家であらねばならない」と、

言ってました。祖父のような良医にはまだまだ及びませんが、私も

医療における哲学や宗教観を勉強しなければ、、、と焼き鳥を食べながら

感じました。

というわけで、周産期精神保健には宗教や哲学に関するスタッフも必要

だと思うのですが、、、牧師、僧侶、神主、哲学者がその役割を担うのか?

病状を告知する場面で牧師や僧侶が立ち会えばそれこそ大きな誤解を

生んでしまいそうです。。。
# by yagiiin | 2013-11-03 22:03 | 院長の休日

第4回 南大阪における予防医療を考える会

第4回 南大阪における予防医療を考える会に参加してきました。

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日本の小児のB型肝炎の権威の藤澤先生の講演は何回か聴きましたが、

そのたびに全ての子ども達にB型肝炎ワクチンを接種しなければ、

というモチベーションが上がります。

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B型肝炎は、いつでも、だれでも、どこでも感染する可能性があります。

血液を介してだけでなく、涙、尿、唾液、汗、精液などの体液を介して

感染します。相撲部やレスリング部などでの集団感染や保育園や

幼稚園での集団感染も知られています。

3歳未満での感染はキャリア(持続感染)となりやすいので、乳児期に

ワクチン接種を完了させる必要があります。3歳以上でも未接種の子ども達

は全員接種対象者です。「海外行く予定がなかったり、家族にB型肝炎の人が

いなければ接種しなくていいよ〜」というような医師は認識不足です。

他の予防接種の知識も怪しいかも。4週間隔で2回、その後4~5ヶ月後に3回目を接種

します。1回の接種に約5,000円の費用負担が必要です。

最近、国は、B型肝炎の検査費用に年間200億円の予算をつけました。

もし、B型肝炎ワクチンを、生まれてきた子ども達全員に定期接種するとしたら、

5,000円×3回×100万人として、年間150億円です。

すでに肝炎になっている人の検査に200億円使うのと、肝炎にならないために

150億円使うのと、どちらが価値ある使い方か厚労省や財務省の役人は

わからないのですか?

日本だけが若者のB型肝炎感染が増加しています。将来、世界の国々では

B型肝炎関連の肝臓がんは減少していくでしょうが、日本だけは増加

し続けます。

肝硬変や肝臓がんにならないために子ども達にB型肝炎ワクチンを接種したげて

下さい。
# by yagiiin | 2013-10-24 22:38 | 八木医院

第50回日本小児アレルギー学会

パシフィコ横浜で開催された第50回日本小児アレルギー学会に

行ってきました。
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学校におけるアレルギー対応のシンポジウムでは、給食を食べた直後に

亡くなった小学生の追悼シンポジウムも行われました。

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アレルギー疾患は、近年増加傾向にあり、その対応の方法も日進月歩です。

食物アレルギーは食事の除去をするよりも、少しずつ食べて慣れさせる

(経口免疫寛容)という考え方になっています。

アトピー性皮膚炎も標準的な治療法が確立されつつあります。

ステロイドを使わない等の民間療法はしてはいけません。

喘息も積極的にステロイド吸入を導入するのがスタンダートとなっています。

10年前の治療が通じなくなっています。いろんな病気の中でもアレルギー

の分野は変革のスピードが速いように思います。

しっかりと時代の波、変革のスピードについていくために日々勉強が

欠かせません。

新幹線の中からきれいな富士山を見ることができました。今年の初冠雪です。

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# by yagiiin | 2013-10-19 23:45 | 院長の休日

日本小児科医会生涯研修セミナー

金沢で行われた第9回日本小児科医会生涯研修セミナーに参加しました。

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発熱の診かた、腹痛の診かた、皮疹の診かたや、口腔領域の診かたなど

基本的な事もあらためて勉強すると新しい発見があったりします。

印象に残ったのは、口腔領域の診かたの小児歯科医の先生のお話でした。

日本の子どもは上の口唇が富士山型になっていて、リラックスしている

時などに、ポカンと口をあけている子どもが多い。そうすると習慣的に

口呼吸になり、これは姿勢が悪くなったり、呼吸器系の病気になりやすく

なる。なぜ、口を開けている子どもが多いのか、、、。

それは、離乳食の食べさせ方に原因があるとのことです。「口唇閉鎖の獲得」

がうまく行われなかったのが原因なのです。離乳食を食べさせるときは、3つの

ステップが重要です。まず、スプーンで下唇をチョンチョンと触れると、

上唇が下りてきます。下りてこなければ上唇をそっと下へ押します。すると、

上下の口唇がスプーン上の食べ物をムグッと捕らえます(捕食)そして、

スプーンを水平(ポイント!)に引きます。

忙しいお母さんは、早く食べさせようとして、上唇が下りてこないうちに、

上歯ぐきに引っかけるようにして食べ物を口の中へ残します。こうすると、

上唇の閉じる機能が育たず、ポカンと口を開けた子どもになります。

スプーンにのせた食事を見せながら、話しかけながら、一口ずつ、ゆっくりと

食べさせてあげましょう。

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また、特別講演の、北陸学院大学人間総合学部の金森俊朗先生のお話も

印象的でした。金森先生は長年小学校の先生をされていて、授業の様子を

撮ったNHKスペシャル「涙と笑いのハッピークラス〜4年1組命の授業」は

海外で賞をとったり、視聴されたりしているそうです。

先生のお話の中で、「大人はピッチャーにならずに、子ども達の

キャッチャーになれ」というフレーズが印象に残りました。

大人達はあれしなさい、これしなさい、これはだめ、あれはだめ、

と指示するばかりで、子ども達の話を聞いていない。子ども達は

いっぱい話したいことがあるのにじっくり聞いてやる場がない、

じっくり聞いてやる人がいない。

大人達がもっとゆとりを持って子ども達に接してやらないといけないなと

思いました。う〜ん、私も反省すること多々ありますが〜。。。。


金沢駅前は、地方都市にしてはかなりモダンな感じです。鼓の形をした

鼓門というモニュメントもありました。再来年には新幹線も開通します。

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一方、夕食で行ったステーキ屋さんは創業約100年という老舗で、外観も

内装もレトロでした。素敵な雰囲気の中、美味しいサーロインステーキを

いただきました。

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セミナー修了後、電車の発車まで時間があったので、金沢21世紀

美術館へ行きました。
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プールの底へ入ったような感じが味わえる部屋や現代的なモダンなアートが

たくさん展示されていました。

でも、、、モダン過ぎてちょっと理解できない作品ばかりでした(^^;)
# by yagiiin | 2013-10-14 23:39 | 院長の休日

歌舞伎、観に行きました。

松竹座で行われた十月花形歌舞伎夜の部「夏祭浪速鑑」という演目を観ました。

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歌舞伎は初めてでしたが、わかりやすい内容のお話だったのでよかったです。

舞台設定も大阪、堺、和泉となじみのある土地でした。

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幕間にはお誘い頂いた方のつてで、片岡愛之助さんの楽屋訪問をさせていただきました。

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大変きさくで優しい方で、お互い堺出身ということもあり、楽しくお話させて

いただきました。差し入れに「かん袋のくるみ餅」を持って行きました。

堺の出身なので、ご存じだろうからどうかなーと思っていましたが、

喜んでいただけたのでよかったです。

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歌舞伎、なかなかいいです。はまりそうです(^^)
# by yagiiin | 2013-10-06 23:24 | 院長の休日


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