小児救急医療フォーラム

第15回大阪小児救急医療フォーラムに参加してきました。

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今回のテーマは、小児の虫垂炎についてでした。

以前から言われていることですが、小児の急性虫垂炎は

なかなか診断が難しいのです。

経過が早くてせん孔(腸が破れてしまうこと)が多いことや、

虫垂が長くて、動きやすいことから、必ずしも右下腹部を痛がる

というわけでもない、など成人とは違う特徴があります。

発熱、腹痛以外に、下痢や嘔吐という症状がみられることも

あり、ウイルス性胃腸炎として経過をみてたら虫垂炎だった、

というような例もあるので注意が必要だなと感じました。
# by yagiiin | 2013-05-23 23:34 | 八木医院

夜尿症講演会

夜尿症治療の講演会に行ってきました。

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日本の夜尿症患者は推定78万人くらいいてるそうです。

でもそのうち治療を受けているのは4%程度だということです。

幼稚園の間は夜尿があっても治療の対象になりませんが、

小学生で夜尿がある場合は、生活指導、尿の検査などをして、

必要であれば薬で治療することができます。

当院でも、夜尿についての相談や検査、治療を行っています。

夜尿症は子どもにとって、精神的ダメージが大きいできごとです。

夜尿症について相談されたい方は八木和郎先生の診察時間中に

おこし下さい。
# by yagiiin | 2013-05-11 23:00 | 八木医院

小児ワクチンフォーラム

ワクチンの講演会に行ってきました。
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小児における B型肝炎の専門家、乾あやの先生の講演は聴きたかった講演でした。

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B型肝炎ウイルス(HBV)に感染すると、将来、肝臓がんに罹患することがあります。感染経路は

大きく分けて、HBVに感染している母親から、生まれた子供への感染(母子感染:垂直感染)と、

それ以外による感染(水平感染)があります。母子感染:垂直感染については、普通の産婦人科

医院や病院では母子感染防止策が行われているのであまり心配はないでしょう。問題は水平感染です。

医療従事者の針刺し事故、輸血に伴う感染のことだろうという認識だけでは現在は通用しません。

B型肝炎は、汗、涙、唾液、尿、精液など、いつでもどこでも誰でも感染する機会があります。

厚労省作成のB型肝炎について(一般的なQ&A)には、「常識的な社会生活を心がけていれば、

日常生活の場では、HBVに感染することはほとんどないと考えられています。」と書かれて

いますが、嘘です。佐賀の保育園での集団感染事例など、「常識的な社会生活を心がけて」いても

集団生活や家族内でいつでも誰でも感染します。保育園で雑魚寝している姿や高齢者が保育園に

訪問して,抱っこしたりほおずりしたりする姿を乾先生は「ぞっとする」と表現されていました。

WHO(世界保健機関)はすべての国が子ども達へのB型肝炎ワクチン接種を受けら

れるようにすること(UV:universal vaccination)を推奨しており、現在、北欧3国、

イギリス、日本以外の国ではすべての赤ちゃんに予防接種が行われています。

アジアでしていないのは日本だけです。

年間約3万人の方が肝臓がんで死亡しています。そのうちB型肝炎ウイルスが関与しているのは

約1/3と言われています。つまり、毎年、日本では約1万人がB型肝炎ウイルス感染が原因となった

肝臓がんで亡くなっています。子宮頚癌では年間約3,000人が亡くなります。子宮頚癌にも

ワクチンがあり、この4月から定期接種扱いとなりました。子宮頚癌の3倍以上の死亡者がある

B型肝炎関連肝臓がんにもワクチンがあるのに厚労省は定期接種扱いにしていません。

何かおかしくないですか?

B型肝炎ワクチンがB型肝炎関連肝臓がんの予防になり、将来、毎年1万人の命を救うことが

できるという事を定期接種扱いにしない厚労省は知らないのですか?公費補助しない堺市や

堺市医師会は知らないのですか?



ロタウイルスの講演も興味深かったです。演者の黒木春郎先生のクリニックがある

千葉県いすみ市では、2011年 水痘、おたふくかぜ、2012年 B型肝炎、2013年 ロタ、

そして、2014年には水痘、おたふくかぜ2回目(この2つのワクチンは2回が常識ですよ!)

の予防接種がそれぞれ全額補助されています!一部補助ではなく全額ですよ!

こういうことがちゃんと出来る自治体があるんですね。

どこかの政令指定都市とは格段の違いです。


フォーラムの後の意見交換会では、堺市の小児科の先生方とこの4月からの堺市予防接種

委託料の大改悪について活発に意見交換してきました。

堺市ではワクチンそれぞれに初診料、手技料、ワクチン代などを含めた料金を設定していました。

しかし、同時接種をした場合、初診料が複数回支払われることになるので同時接種の場合は

初診料は1回分相当の設定とするというものです。診療報酬算定のきまりではそうなのか

とも思いますが、問題は、同時接種をせず、単独接種をした場合の委託料と私たち小児科医が

行っている同時接種をした場合の委託料に大きな隔たりができてしまっていることです。

具体的には、定期接種のヒブ、肺炎球菌、4混(DPT+IPV)の3種類をそれぞれ

3回同時接種(来院回数は3回)した場合の委託料合計は79,410円。4混を使用せず、

ヒブ、肺炎球菌、3混、ポリオの4種類を各3回全て単独接種(来院回数は12回、ロタはできない)

した場合の委託料合計は123,099円。最大43,689円の差。。。。

お金儲けしたい医者は、うまく保護者に勧めて単独接種をしていくだろう。

日本小児科学会が推奨している同時接種をしなくなる医者が出てくるかもしれない。

そうすると、髄膜炎や百日咳で命を奪われてしまう子どもも増えるかもしれない。

単独接種は危険。でも単独接種をした方が儲かる仕組みを作ってしまった。

現在の予防接種は同時接種が常識とされており、単独接種は乳児期早期に済ませなければ

いけないワクチンの接種が遅れることになるので、ヒブや肺炎球菌による髄膜炎や百日咳に

罹患する可能性があり「危険!」とされています。当院では今回の大改悪なんか関係なく、

今まで通り積極的に同時接種をお勧めしていきますのでご安心下さい。

しかし、この改悪に伴って堺市から届いた予防接種実施申込書、、、複数接種したとき

には○をつけるところがあるんだけど、そこには「同日接種」と書いてある、、、。

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まったく、、、、「同時接種」と「同日接種」の違いもわからんような奴が堺市の

予防接種事業をやってるというのがよく分かる。同時接種:2種類以上のワクチンを

1回の通院で接種すること。同日接種:午前中に八木医院でヒブと肺炎球菌と4混

とロタとB型肝炎を接種して、その日の午後に保健センターでBCGを受ける、

というふうに違う施設で同じ日に予防接種を受けること。現在の日本では行っては

いけないことになっている。

今回の改悪をした医師や行政担当者は現在の予防接種のあり方を知らないのですか?

と思う。

おかあさんのためのワクチン接種ガイドを読んでお勉強しなさい!

VPDを知って子どもを守ろうのHPでお勉強しなさい!と言いたい。
# by yagiiin | 2013-04-27 21:10 | 八木医院

第116回日本小児科学会

広島で行われた第116回日本小児科学会に参加してきました。

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教育講演を中心に勉強してきました。

食物アレルギーは皮膚から感作される。だから乳児期早期の顔やからだの湿疹は

積極的にきれいに治さなければいけない、ということは最近のアレルギー関連

学会や研究会でよく言われていることです。食物アレルギーは、10〜12月生まれの

子どもに多く、4〜6月生まれの子どもには少ないのです。つまり、皮膚が乾燥する

シーズンに乳児期早期を過ごす子どもは皮膚がかさつきやすい。そうすると、

そのカサカサした皮膚から皮膚に接触した食物成分が浸透し、食物アレルギーが成立

する、というのが今の食物アレルギーの発症原因だと言われています。

茶のしずく石けんの小麦成分の経皮感作の例は有名ですね。

湿疹をきれいにするにはたっぷりの保湿と必要に応じてステロイド軟膏を塗布

することが大切です。残念ながら、今でもステロイド軟膏の使用に抵抗を示す

保護者の方がわずかながらおられますが、最も危惧されるのは、いまだにステロイド軟膏

を医学的でない理由で使用しない医師が存在するということです。

現在の常識的な医療を実践しない理由が理解できません。

日々かゆみに苦しんでいる子ども達がかわいそうです。

発達性読み書き障害Dyslexiaの講演や、小児科医が知っておくべき皮膚疾患

など興味深い講演も勉強になりました。今後の診療に生かしたいと思います。



学会会場は広島平和記念公園に隣接していたので、高校の修学旅行以来、30数年

ぶりに公園を散歩しました。意外と西洋人の観光客がたくさん来てました。

世界中の人が戦争と平和について考えさせられる場所になっているんだなと

感じました。
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最近、久しぶりに私の94歳の叔父と話しをしました。叔父は戦争に行っています。

隣にいた仲間が敵に撃たれて死んだことや、ざんごうの中で叔父がその場を離れた瞬間に砲撃を

受け、叔父がほんの少し前までいた場所にいてた仲間が爆死した話しなど、

生々しい、経験者にしか語れない話を10日ほど前に聞きました。

今でも、世界中で同じ状況が発生しています。叔父の話しを思い出しながら、

なぜ広島平和記念公園のメッセージは戦争を起こしている国々に届かないのか、、、

と、残念な思いにかられました。

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原爆ドームを間近でじっくりと見学しました。こんなに近くで見るのは

初めてかもしれません。なかなか迫力がありました。
# by yagiiin | 2013-04-22 07:09 | 八木医院

ワクチンシンポジウム

東京で行われた製薬会社主催のワクチンシンポジウムに参加しました。

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ザ・プリンス パークタワー東京の大きなホールにたくさん集まってました。

1000人くらいいたんじゃないかな。スクリーンも3台で。

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フィンランドのTimo Vesikari先生の講演では、フィンランドの予防接種行政

の一旦もかいま見られてよかったです。フィンランドではMMR(麻しん風しん

おたふくかぜ混合ワクチン)の接種が行き届いていて、麻しん風しんはもちろん、

おたふくかぜも流行していないそうです。日本ではおたふくかぜに罹患している人数は

ここ数十年、年間100万人前後(50〜200万人)と言われています。

おたふくかぜの重大な合併症である難聴は、約1000人に1人と言われているので、

年間約1000人くらいの子ども達が一生難聴になっているのです。ワクチンを接種

していればこの子達は難聴にならずに済んだのに、、、。

勝沼先生の喘息の話もとてもためになりました。

森内先生の講演もとても良かったです。ワクチンは副反応など危険があるということを

いう医療関係者もいます。お風呂で溺水する子どもはたくさんいます。おもちをのどに

つかえてなくなる方もたくさんいます。交通事故で亡くなる方も年間5000人くらいいます。

抗生剤や解熱剤のアレルギーで亡くなる方も年間数十人います。これらのことは

マスコミはあまり報道しないし、しても小さな取り扱いです。なぜ、お風呂やお餅や

自動車を国は規制しないのですか?抗生剤や解熱剤のショックで亡くなる人は

毎年50人くらいいてます。このことをなぜマスコミは大々的にとりあげないのですか?

そして、わずかに発生する予防接種関連の事故かもしれないことを大々的に取り上げ、

さも予防接種は危険だというようなニュアンスで報道するのですか?

ワクチンの副反応やその頻度と、ワクチン接種をしないことによってその病気にかかる

危険性と頻度のどちらを重視するのですか?、、、と、まあ話せばきりがないですが、

このようなワクチン全体への偏見、新しいワクチンへの偏見とともに、

同時接種など最近の予防接種の状況の変化についていけない行政、医師(これが大きな問題)、

マスコミ、国民、、、、これらへの警鐘という意味合いのすばらしい講演でした。

藤岡先生の講演は、実際に動画でワクチン接種の様子を紹介され、これまたなかなか

見れない講演で良かったです。

前日の夜、たまたま東京に来てた大学の後輩から誘われてベルギービールのお店に

行っちゃいましたが、シンポジウムは居眠りすることなく真剣に聞けた充実した内容でした。

会場は東京タワーの近くだったので、ちょっといつも見ないアングルから写真を撮ってみました。

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また、帰りの新幹線からは綺麗な富士山が見えました。笠雲っていうあまり見られない

珍しい雲がかかっていました。

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# by yagiiin | 2013-04-07 23:25 | 院長の休日


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